アメリカで転職する方法は、なかなかリアルな情報をとることができません。私が実際にアメリカ現地への転職を考えた際にも、そうでした。今回は、実際の私の体験談をもとに、どうやってアメリカで転職をすることができたのかを解説します。
アメリカの転職事情
日本と異なり、アメリカには終身雇用制度もなければ、新卒や中途といった区別もありません。ポジションに空きが出たらその都度必要な人数を必要なだけ募集するという通年採用スタイルが基本なため、即戦力が求められます。またポジション採用のため、部署移動ということもほとんどありません。
大手のGoogle、Amazonなどは社内異動で手を挙げられる制度がありますが、外にポジションをオープンにし、社内の人材もそのポジションに応募できるといった形がとられています。もちろん、社内からの応募の場合にも、通常通り面接が行われます。
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【アメリカ転職 - 完全版】レジュメ(履歴書)の書き方
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アメリカの就業ビザ
アメリカで就職や長期滞在をするには、ビザの取得が 不可欠です。アメリカのビザは大きく分けて二種類あ ります。1つめは、「移民ビザ」と呼ばれ、永住目的 での入国及び居住を目的としています。2つめは、「非 移民ビザ」と呼ばれ、米国に留学や就労などの目的で 長期滞在をするためのビザです。非移民としてアメリ カで就職するには、米国内の特定の企業に就労し、収 入を得るのに必要な「就労ビザ」を取得する必要があ ります。
個人のビザに関する知識や準備が不足しているために、アメリカで働くチャンスを逃してしまうケースも少なくありません。誰にでも、またどんな状況にも当てはまる「万能ビザ」は存在しないため、ご自身の経験、スキル、専門性、そして学位などに当てはまるビザの種類を理解することと、そのビザを取得するためのプロセスやタイミングを事前に把握しておくことが成功のカギです。代表的な就労ビザは下記の通りです。
【OPT とCPTについて】
就労ビザに加え、学生ビザで勉強をしている学生に対し、留学先の短期大学や大学(院)
で学んだ知識を活かすために与えられる、期間限定の就労許可として、OPT(Optional Practical Training)と CPT(Curricular Practical Training)があります。
Optional Practical Training(OPT)とは、主に学校で学んだことを 実社会で実践するために、学生ビザを保有する生徒に対し、一般的に卒 業後最長12ヶ月(理系の学生に対しては例外あり)のフルタイムの就 労を許可するものです。専門学校、短期大学、大学(院)、または9ヵ 月以上のサティフィケート終了後に、学校で学んだ知識を実践で活かす ことが出来る資格です。
職種の選択にあたっては、学生の専攻する学術領域に限られます。在学校のInternational Student Officeに問い合わせることで、OPT申請 期限やプロセスに関しての詳しい情報が得られます。OPTは移民局の 許可を必要とします。従って、勤務開始には、移民局からEmployment Authorization Document(EAD)カードが届くのを待つ必要があります。
Curricular Practical Training(CPT)とは、フルタイムの学生として 1年(セメスター制の場合は2セメスター)以上学校に通い続けた後、 学校の許可を得ることにより、学期中は週20時間まで、休暇や休日の 間は、その後の学期の授業に参加することを前提として、フルタイム での就労を許可するものです。職種の選択にあたっては、OPTと同様 に専攻する学術領域に限られます。 CPTは、移民局の許可を必要とせ ず、学校の許可のみで就労が可能です。在学校のInternational Student Officeや学部のオフィスに問い合わせをすることで詳しい情報が得られ ます。
米国ビザの詳細
H-1Bビザ
取得条件
米国企業で専門的職業に短期間従事する方、もしくは政府協定により短期間国防関係の共同研究または開発事業に従事する方(いずれも例外的能力を有し、卓越した実績と能力を保持している者)のためのビザです。このビザに該当する専門的職業とは高度に専門化された知識体系の理論的・実践的適用を必要とし、一般的には学士号またはそれ以上の学位が必要とされています。
有効期限
最初の認可期間は3年で、更に3年の延長が可能ですが延長はその一回のみで、有効期 限は最初の認可期間と合わせて最長6年。
その他
他のビザへの変更も可能です。家族にはH-4ビザが発給されます。
手続きについて
まず、専門家を雇用しようとする雇用主は、請願書を移民局に提出する前に、労働省に 対して労働条件申請書(LCA)を提出して認可を受ける必要があります。また雇用主 はその認可証とともにLCAの条件を厳守する旨の誓約書、その外国人が専門的職業に 従事することができるという旨の証明書類と移民局の指定する書類等を提出する必要が あります。請願をしてもらう外国人(ビザ申請者)は、その専門職に従事し得る資格を 証明するため、その分野での学士号もしくはそれと同等の学歴または経験を証明する書 類、また専門職に従事するための免許(州により異なる)、また学士号が無い場合には 公認の学歴経験認定機関の認定書を提出する必要があります。移民局での認可が下りた 後に申請することができます。
L-1ビザ(同系企業内の管理職転勤者ビザ)
取得条件
日米企業または多国籍企業(米国企業は外国企業の親会社、子会社、提携会社または支 店でなければなりません)で、50%以上の持ち株占有率の子会社(米国法人)が必要 です。たとえ過半数の株を所有していなくても、どちらかの会社が一方の会社をコント ロールしていることを証明すればL-1ビザ関連会社として認められます。株の所有によ る親子関係が生じない場合でもLビザの対象となり得る場合もあります。
取得規定
ビザを申請する直前の3年以内に最低1年以上(特殊な例を除いて)、経営管理者・管 理職または特殊技能職として勤務した社員に適用されます。また、米国にある支店、出 張所、関連会社または親子会社に一般的な社員としてではなく経営管理者、管理職また は特殊技能職として転勤する場合にも適用されます。
有効期限
通常、最初の認可期間は1年ないし3年の期間のビザが取得できます。L-1Aビザ(経営 管理者および管理職)の場合は、その後さらに3年間の延長が許可された場合通算7年 まで有効です。L-1Bビザ(特殊技能職)の場合は、その後さらに2年間の延長が許可さ れると通算5年まで有効です。
その他
家族(配偶者および21才未満の子供)にはL-2ビザが発給されます。最長ビザ取得期 間を超えた場合の再申請は、最低1年間米国外に滞在した後に可能となります。また は、Eビザか永住権に変更することも可能です。特にL-1Aビザから永住権へのビザ変更 は優先就業者と見なされ、他のビザに比べ容易です。
E-1ビザ (条約貿易家ビザ)
取得条件
米国と通商条約を締結している国の国籍であること。
取得規定
日本の子会社として申請する場合は、日本に親会社があり、50%以上の持ち株占有率 の子会社(米国法人)が必要です。また、日米間において他の会社を通して取引を行う 間接的取引ではなく、直接的な輸出入があり、全世界の取引高の51%以上が日米間の 取引である場合に適用されます。E-1ビザの申請者は管理職または特殊技能職者に限ら れており、管理職以外の一般従業員については対象にはなりません。また、管理職・特 殊技能職としての勤務年数の条件はありません。E-1ビザの申請可能業種は一般的な商 品の輸出入だけに限らず銀行、保険、運輸、通信、情報、広告、経理、デザイン、工学 技術、経営コンサルタント、観光などでも適用されます。
有効期限
基本的には5年間ですが、その米国企業が存続する限り無期限にビザの延長が可能で す。
その他
家族(配偶者および21才未満の子供)にはE-1ビザが発給されます。
E-2ビザ(条約投資家ビザ)
取得条件
米国と通商条約を締結している国の国籍であること。
取得規定
日本に親会社となるべき会社を必ずしも必要としていません。業種により異なります が、事業相当額の投資を行った持ち株占有率50%以上の米国法人が必要です。現地雇 用を促進させる会社を優先対象としているため、投資金額が大きくても現地雇用を発生 させない株や不動産等の投資では取得が不可能です。従って、申請時の初期の段階で少なくとも1名以上の現地従業員を雇用する必要があります。 また、ただ単に資本金だけ を銀行に預金しているのではなく、実際に投資を行う必要があり、ビザの申請は投資実 績の確認後となります。
有効期限
基本的には5年間ですが、その事業が存続する限り再申請が可能です。
その他
家族(配偶者および21才未満の子供)にはE-2ビザが発給されます。規定を満たすこと により永住権を申請することも可能です。
Eビザ、Lビザの配偶者の就労について
Eビザ、Lビザの配偶者の就労許可申請が認められています。配偶者ビザ取得後 に就労許可(EAD)を取得した場合、どこの会社でも就労することが可能です。 ビザの発行元の企業に詳細をお伺いいただくことをお勧めします。
F-1ビザ(学生ビザ)
対象
小学校から大学院までの学生
有効期限
1~5年 (有効期限は、ビザ保持のための条件を満たしたうえで、学業が終了するまで の期間)
その他
Fビザでの就労は不可ですが、学位を得られる学生に対しては卒業前後にトレーニング を前提とする、プラクティカル・トレーニングで1年間の就労が認められています。 家 族に対してはF-2ビザが発給されます。
Mビザ
対象
学位を目的としない技術習得のための専門学校生または職業訓練生
有効期限
一般的には1年から1年半 ※ビザの更新やF-1ビザへの変更は困難
Jビザ(業務研修ビザ)
対象
特別プログラムに認定された交換留学生から研究者に至るまで多岐にわたって発給される。報酬を得て職業訓練を積むことが可能。トレーニー・インターンのカテゴリーが一般的。
有効期限
1~2年で、3年までは延長可能です(発給されるJビザのカテゴリーによって異なります)。
その他
Jビザ取得者の多くは米国内での収入を奨学金やスポンサーからの援助金などで賄うこ とが認められており、その所得も無税となります。ただし、ビザの変更については最低 2年間米国外に滞在しなければならない場合もあるため、事前に調査が必要です。家族 に対しては、それぞれDS-2019フォームが発行された上でJ-2ビザが発給され、他の学 生ビザの家族とは異なり移民局からの労働許可を得れば就労が可能です。しかし、各ケ ースにより条件が異なるので事前確認が必要です。
日米移民法
世界中で出入国管理と移民管理に関しては、日本と米国が最も厳しい国であると言われています。ただし、同じ厳しさの中でも日米両国の規定コンセプトが全く異なります。移民受け入れが米国ほど多くない日本の場合は杓子定規な規定に添わなければならず他の選択肢はありません。それに比べて米国は現在でも移民を歓迎しており、非移民者である外国人就労者や学生に対しても寛大に受け入れています。それだけに、可能性と拒否が混在しているため非常に複雑化しています。
正確な情報の入手と専門家のアドバイス
上記ビザの情報はあくまで概要であり、就労ビザに関する規制や法律は非常に複雑なう えに頻繁に変更されます。また、個人や雇用主の状況によって大きく異なるため、移民 局(USCIC)の 公式ウェブサイトなどでの情報確認や、必要に応じて移民弁護士など の 専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。
アメリカ地域別の業界分布
Reference: 外務省 海外在留邦人数調査統計 令和元年(2019)版
西海岸
NORTHERN CALIFORNIA (San Francisco/Bay area)
● 新規進出企業が多いエリア
● サンフランシスコは全米一雇用に関する法律が多く、厳しい
● 大手IT企業(Facebook, Googleなど)により、周辺の都市化が加速している
● eBayやUber、Airbnbなど、新しいビジネス形態 「ネットワークオーケストレータ(Network orchestrator)」が成長している
● スタンフォード大学、UCバークレー校など、名門大学などの学園都市としても栄えている
● 1DKマンションの家賃(月額):
約$3,000~$3,500(San Francisco)、約$2,000~3,000(San Jose)
SOUTHERN CALIFORNIA (South Bay/Los Angeles &
Orange County/San Diego)
● 海・空・陸の貿易窓口として、ビジネスが発展している
● 映画産業の中心地ハリウッドがあることもあり、エンターテインメント企業が多い
● 日本人口数は全米No.1
● メキシコと陸続きで、ティフアナ(Tijuana)から入国できることから、オフィスは米国、 工場はメキシコに設立している企業も多い
● 1DKマンションの家賃(月額):約$1,600
東海岸
New York
● 米国にける日系企業本社数No.1
● 公共交通手段が充実
● New York証券取引所があることから金融業界の中心地
● 1DKマンションの家賃(月額): 約$2,200
中西部
Chicago / Detroit
● シカゴは米国主要都市トップ3
● デトロイトには、Big 3(Detroit’s Big 3)と呼ばれる大手自動車メーカーが存在
● 自動車部品の製造メーカー・商社、工作機械メーカー・商社、そして物流会社が集中
● 1DKマンションの家賃(月額):
約$1100 (Chicago)、約$700 (Detroit)
南部
Houston, Dallas
● ここ数年、全米で最も成長している都市として、ヒューストン、ダラス、オースティンが挙げられている
● ヒューストンではオイル、ガス業界に注目が集まっている。また、化学製品(Chemical) 関連企業も多い
● ダラスでは、Toyota Motor North America社が2017年に南カリフォルニアからプレイノ (Plano)に本社移転した影響もあり、IoT、車載アプリなどのIT企業、及び通信関連の 企業などが増えている
● 1DKマンションの家賃(月額):
約$850 (Houston)、約$900 (Dallas)
Atlanta
● 自動車関連の製造業が多い
● 陸海空の交通の便が発達しており、物流も盛んである
● 特有の夏の蒸し暑さから、Hotlantaと呼ばれている
● フォーチュン500に入る企業で、アトランタ周辺に本社機能がある会社は12社。 全米3番目。
● 1DKマンションの家賃(月額):約$1000
面接内容
アメリカでの面接の事前情報は、必ず Glassdoor で確認します。Glassdoorでは、社員や元社員が匿名で雇用主の企業とそのCEO(最高責任者)を採点するもので、職場の雰囲気、給料、就職面接などリアルな内部情報を得ることができます。また過去に面接を受けた候補者からの面接質問項目の情報を取得することができます。
無料で登録&情報収集できますので、ぜひ登録しましょう。
またエンジニア・データサイエンティスト・ファイナンスなどの職種においては、コーディングテスト・プレゼンテーションが面接で課されることは非常に多くなっています。実際のレジメとスキルが合致しているかということが確認されます。
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アメリカ転職を成功させる英文レジュメの書き方【体験談】
内定・退職・入社
内定を受けてから、現勤務先を退職、そして転職先へ入 社の過程のなかで行うべきポイントを時系列でご説明し ます。
1. 業務内容、福利厚生の確認
内定を受けた企業で、業務内容(就業時間、出張の頻度など)、福利厚生(Medical Insurance, Vision Insurance, Dental Insurance, 401K、有給、病気休暇、等)に関しての 質問がある場合は、内定受諾前に企業担当者、または(人材紹介会社を通している場合) 担当エージェントに確認しましょう。
2. オファーレターへのサイン
正社員採用の場合、企業は初めに口頭、またはメールにて内定を通知することがあります が、一般的にはその後、正式なオファーレターが発行されます。オファーレターを受け取っ たら、その内容をよく読み、詳しく理解したうえでサインをしましょう。
3. Background Check
(バックグラウンドチェック/身元調査)
アメリカでは、多くの企業が採用予定者に向けて、内定後から入社前のタイミングでバック グランドチェックを実施します。内定は、この調査が問題なく終了した後に、有効になりま す。調査の代表的な項目は下記の通りですが、企業、職種により、調査項目は異なります。
● County / Statewide Criminal Search(犯罪歴 – 群/州)
● Federal Criminal Search(犯罪歴 – 連邦)
● Employment Verification(職歴)
● Education Verification(学歴)
● Social Security Trace (ソーシャルセキュリティー/社会保障)番号の確証 – 発行年・州、居住歴)
● Drug Screening(薬物検査)
日本からアメリカ現地企業へ応募する場合【体験談】
日本からアメリカ現地企業へ応募する場合には、戦略が必要です。私が実際に行った方法の全てです。
1. 必ずLinkedinに登録し、自分のキャリアをしっかり記載しておく。
2. 海外転職に強いエージェントへ登録し、そのときの海外転職マーケット状況を確認する。
3. 英語力に自信がない場合には、必ずアップさせる
4. アメリカ転職の場合、どういった求人が多いのか自分でもリサーチを行う。Linkedinで職種を入力すると確認することができます。
5. 自分のキャリア分析を行い、4と照らし合わせ、足りない点に関しては補う。
6. 実際にいくつか企業を応募してみる。
7. 社内で海外支社に異動できる場合には、そのポジションを目指す。
8. VISAで壁にぶち当たった場合には、なんとかVISAを取得できる方法を考える。企業サポートが難しい場合には、海外大学・大学院などへの入学も検討し、卒業後のOPT取得という方法も検討する。
私はどうしてもアメリカで働きたかったのですが、VISAが非常に難しいということが調べるうちにわかってきたため、最終的には大学院へ進学をし、卒業後のOPTで現地就職。そして、今でも働き続けています。
私が海外転職リサーチのために利用をしたエージェントは下記です。他のエージェントでも海外転職を謳っていますが正直、ほとんど情報はありませんでした。下記のみの情報で十分でしょう。
- リクルート
大手人材転職エージェント。求人をもっとも多くかかえています。 - エンワールド
ミドル~ハイクラスのポジションの転職支援を専門としています。外国人の転職コンサルタントも多い印象です。 - ジェイエイシーリクルートメント
ハイキャリア向けの転職サイトになります。東南アジアに多くの支店を持ち、各支店が連携しながら求人紹介してくれるでしょう。
アメリカ現地就職は簡単ではありませんが、必ず道があります。私も英語力を高めたり、情報収集に2年という長い時間を要しました。そして、今ではアメリカで働き続けることができているため、どうしてもアメリカで働きたい人には諦めて欲しくありません。一緒にがんばりましょう!