日本でもFIREが流行しているようですが、ここアメリカでも流行っています。実際にセミリタイアをするかどうかはおいておいて、投資を始めてから私もFIREに興味を持ち始めました。
仕事をしていて同僚との会話やお互いのサポートで楽しいと思うことも多いですが、やはり仕事は仕事。ストレスが溜まることも多いですし、私たちの多くの時間は仕事の時間に拘束されています。
FIRE - 経済的自立とは?
誰もが経済的に自立したいと思っているのに、なぜ成功する人は少ないのでしょうか?経済的に自立するための秘訣の一つは、それが "偶然 "ではないということです。綿密な計画と、その計画を実行する意志から始まるのです。
経済的自立の絶対的な定義はありません。最も一般的な定義は、「働かなくても一生好きなように暮らせるだけの財産を持っている」というものです。しかし、これは曖昧な定義で、株を買うことが仕事ではないのか?また、ビジネスを経営していて、日々の活動には関与していないが、重大な決定には関与している人はどうでしょうか。
経済的自立とは、合理的な範囲内で、多かれ少なかれ自分の好きなように生活できることを意味します。また、人生の浮き沈みに対応するために、倹約したり、犠牲を払ったり、多額の借金をしたりすることなく、資金を確保することも意味します。
実際、FIREするかどうかはおいておいて、目的をもってお金を貯めることは非常に重要だと感じました。実際お金に向き合って私が大事だと感じたマインドからまずは、解説します。
① コントロール感
アメリカにきてよりお金と向かい合った結果、お金は4つの基本的な要素に集約されることがわかりました。それは、「コントロール感」「決断」「バランス」「臨機応変さ」です。
まずは、「コントロール感」についてです。
401(K)への直接積立を設定して、残高が増えていくのを見たとき、私は何もやっていないけれどもどんどん増えていくという高揚感を感じました。そうすると、「もっと貯めたい」という気持ちが湧いてきました。高揚感というか、焦燥感というか、とにかく自分をコントロールできる感覚があって、それを続けることで、最終的には自分のお金をコントロールできるようになりました。
実際、お金を学ぶということの基本は、「お金をコントロールすること」を学ぶことにあります。なぜなら私たちは、お金に支配されていると感じているからです。お金に支配されて、楽しみにしている旅行に行けない、嫌な仕事を辞められなかったりします。
例えば、数年で多額の借金を完済した人の記事を読むと、彼らは質素に生活をしたり、急にお金を増やしたりすることで達成しているわけではありません。もちろん、それらは必要なことですが、話の本質を突き詰めると、それは「コントロール」の問題なのです。彼らは、自分の状況をコントロールし、そのときできることをすることを学びんでいました。
お金は大事だとわかっているのに、深く考えようとする人は多くありません。それも問題のひとつです。お金の使い方を知りたくても、怖くてなかなか踏み込めないのです。私がお金をコントロールするために効果的だったことをいくつか紹介します。
● お金に関するタブーをなくす:お金について話すことがタブーだと思っていました。しかし日本ではまだまだタブーかもしれません。お金について人気のポッドキャスト「ChooseFI」はセミリタイアするための情報を発信しています。ポッドキャストだけでなく、ChooseFI Facebookグループ はいつもお金に対したのアドバイスやディスカッションに富んでいます。何かアドバイスを求めると何百人の人がアドバイスをくれるのです。
● 意味のある目標を設定する:お金が必要だからといって、ただ予算を立てるだけでは意味がありません。なぜその予算を貯めたいのか、自分に問いかけてみましょう。家族を養うためですか?借金を返して旅行に行くため?いずれにしても、意味のある目標があれば、お金の管理は、自分にとって重要なことを達成するためのものだという認識がうまれます。お金を自分のために使うのではなく、自分のためにお金を使うという逆転の発想が生まれるのです。
自分に不利な状況に置かれたとき、コントロールすることは容易ではありません。多額のローンに追われ、仕事も見つからない状況では、自分をコントロールすることはかなり難しいですが、それでも、コントロールする感覚は解決策の一部として必要です。
② 決断
コントロール感覚を養うには、目的意識を持って決断することが大切です。
たとえ小さな行動であっても、行動を起こすことは大きな力になります。例えば、毎月10ドルを借金の返済に充てると決めたとしましょう。確かに小さな行動ですが、小さなことが積み重なっていくのです。しかし、重要なのは、行動を起こすと決めた時点で、パワーとコントロールを発揮することになり、それは長期的には貴重なことなのです。
行動を起こすことは重要ですが、「ルールに従うこと」と、「行動を起こすことを決めること」は違います。
・借金を返すために予算を立てるのではなく、自分の状況に合った借金返済の方法を決める。
・昇給を要求するのではなく、上司にどのように話を持ちかけ、どの程度の昇給を要求するのかを決める。
・ただ支出を減らすのではなく、どの費用を減らせば効果的かを決める。どれだけ削減するかを決めて、目的を持って支出することに集中する。
一律のルールに従うだけでなく、自分の経済状況に合わせて調整します。自分のお金の使い方を意識することは、自分自身をコントロールすることにつながります。
③ バランス
誰しも、時には間違った判断をすることもあります。選んだ借金返済の方法がうまくいかないかもしれない。自分の意志の強さを過大評価したかもしれない。昇給がうまくいかなかったかもしれない。コントロールは重要ですが、コントロールだけですべての問題が解決するわけではありません。そのためには、何らかのバランスや妥協点を見出す必要があります。
例えば、借金の返済額を増やそうと思ったとき、私は自分の意志の強さを完全に過大評価していました。すべてのお金を借金のために使ってしまい、何も残らなかったのです。当然のことながら、ほんの少しの出費でもお金を使ってしまうと、すべてが狂ってしまい、多額の貸越料金が発生し、最悪の場合、失敗したような気分になってしまい、自分をコントロールするという感覚がなくなってしまいました。
決断してコントロールしようとしたにもかかわらず、自分の行動が裏目に出て、家計を破綻させてしまったのです。そこで、私はすべてのバランスを取り直さなければなりませんでした。より良い予算を組み、自分の習慣とうまく付き合い、計画を微調整することを学ばなければなりませんでした。コントロールすることや心がけることはプロセスの一部ですが、お金を整えるためには、かなりの調整と妥協が必要です。
今日使うか、明日のために貯めるか、そのバランスを見極めなければなりません。倹約することと、時間を無駄にすることのバランスを取らなければなりません。両極端ではうまくいきません。自分に合った形を見つけ、無理のない範囲でお金の目標に向かって進んでいくことが大切です。
④ 臨機応変さ
バランスは重要ですが、目標達成に役立つもう一つの資質、それは「臨機応変さ」です。臨機応変さとは、次のようなことを意味します。
・副業をするために本業を時間内に終わらせる
・食料品の予算を削減するために、残っている物で作れるレシピをGoogleで探す
・電気代を節約するために、家のエネルギーを最適化する
数えればキリがないし、すべてのヒントが自分に当てはまるわけではありません。人の状況はそれぞれ異なります。お金の管理は最終的には自分に合った方法で行うことが大切です。ここまで、少しでもお金に余裕を持つために解説しましたが、基本的には以下に集約されます。
●「ーすべき」という概念を捨てる:私たちは現状を基準にしていますが、それがより良い選択肢の妨げになることがあります。皆がそうしているからあなたも車の支払いをするべきなのか、それともお金を貯めてそこそこの中古車を現金で購入し、金利の支払いを抑えるべきなのか。
●できないことではなく、できることに集中する:繰り返しになりますが、臨機応変に対応できる人は、うまくいかないことにとらわれません。障害となるものを知っていることは助けになりますが、それにとらわれるのではなく、解決策を探すのです。
●チャンスをつかむことを学ぶ:機知に富んだ人は、どんなことにもチャンスを見出します。それが自分の利益にどう影響するかという視点で物事を見ます。
自分の状況に合わせてアドバイスをしたり、全体的な経済状態を良くするために必要なものを手放したり、意外なところにチャンスを探したりする努力は必要です。しかし、経済的な目標を達成するために、あらゆる手段を最大限に活用できるようになれば、コントロールを確立する上で大きな力となります。繰り返しになりますが、コントロールがすべてです。
40歳で、セミリタイアする方法
それでは、具体的は話にはいっていきますが、私が行ったことは下記の3つです。
【1】収支の見える化
お金の目標を立てるにしても自分が毎月いくら給与があり、何にどのくらい使っているのかを把握する必要があります。私が利用をしているトラッキングサイトは、Personal Capitalです。過去に「Personal Capital (パーソナル・キャピタル)の使い方【最強すぎる資産管理サイト】」で詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。
【2】目標の設定
Personal Capital で見える化したあとは、目標を決めました。私のゴールは「リタイアしても3ヶ月に一度、旅行をし続けること」。リタイアは40歳と仮決めしました。40歳以降に毎月必要な金額は50万円と定めました。
将来は誰にもわかりません。「何歳でリタイアするかなんて今からわからない」「いくら必要かなんて今からわからない」と多くの人が思うと思いますが、目標を決めるときにはとりあえず、決め切ることが重要です。人生プランが変わったらそのときに、また変えればいいだけです。
支出を減らすために行なったのは、「携帯プランの変更」「寒いときには部屋を温めすぎるのではなく、ヒートブランケットを使用」です。それ以外の支出は、家と食費(時期により旅行)のみで、ものすごく高い家に住んでいるわけでも、豪華な食事をしているわけでもないため家と食費は、何も変えていません。そのため支出を減らす場合でもストレスはありませんでした。
その代わり、収入を増やすことを考えました。お金を貯めるには「収入をあげる」「支出を下げる」このどちらかの方法しかありません。そして収入を増やすために、今の会社に対しての昇給と、投資を始めることにしました。
【3】投資
投資といってもリスクが高いとお考えの方もいるかもしれません。「①コントロール感」でも記載をしているとおり、お金に関するタブーをなくしました。お金に関する本を5冊ほどよみ全てに共通して書かれていたのは、「投資はお金を増やすためのひとつの大切な手段」だということです。私が読んだ本の中でも特に良書だと感じたのは「お金の大学」「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド」「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」です。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
投資を行うと決めてから、自分が使う投資ツールの研究をはじめました。どのWEBサイトを利用して投資を行うべきかということです。一度お金を預けると一生使うプラットフォームは非常に重要です。ブローカレッジによっては、手数料が非常に高かったり、プラットフォームが操作しにくかったりします。そうしていくつか利用して最終的に本当に良いと感じたのは、M1ファイナンスです。「【アメリカ投資】M1ファイナンスが最高な理由【私の投資記録と投資銘柄】」で詳細を解説してますので、ぜひご覧ください。
こうして私のセミリタイヤ人生が、はじまりました。ただ生活は何も我慢していません。これはやはり「コントロール感」「決断」「バランス」「臨機応変さ」が重要で、将来のセミリタイアのために我慢をした人生を送るのはよくありません。今を楽しむことがもっとも重要です。そして、今を楽しみ、且つ将来のためにもなっている人生ファイナンス設計を自分自身で行うことが大事です。